"不安"って何だっけ?[論考2]
不安というのは、私たち人間にとって長らく否定的な存在であり、どんな分野においても絶対悪のように扱われてきました。*1
ここで私たちが陥りやすいであろう考え方を提示してみたいと思います。
「不安など感じなければどれだけ私の人生は晴れやかだろうか。」
「私は不安を感じてしまうほど弱い人間だ。」
「不安さえなくなれば私の人生はもっと意義深いものになるのに。」
「この不安によって私は言いたいことを言えない。」
「この不安によって私はやりたいことをやれない。」
「この不安によって私はなりたい状態になれない。」
不安に対する表現は多種多様でしょうが、
共通することは不安という存在に対する負の感情であると思います。
しかもほとんどの場合それは絶対的負の感情 *2です。
不安を相対的に負の感情ととらえるのではなく、不安は負の感情でしかないと考え感じていることがほとんどではないでしょうか。
不安は痛みを伴うだけでなく、実際にパフォーマンスのレベルを下げ、行動の意欲と勇気を削ぎ、真に進みたい方向へアクセルを踏み出したにもかかわらず、自らの意思や意図とは関係なく、ブレーキ*3をかけます。
不安とはこのようなものかもしれませんが、このようなものでしかないわけではありません。
つまり、上記に書いたことは不安の一側面であって、不安そのものではないのです。
敢えて分かりやすく二元論的に書くのならば、
不安には否定的な側面もあり、肯定的な側面もある*4のです。
あなたはこのことについてどのような反応を示したでしょうか?
「肯定的な側面なんてあるはずがない!」
「否定的な側面ばかりで肯定的な側面など詭弁でしかない!」
「綺麗事を言うな!」
全てそれも不安に対するあなたの適切な気持ちであり、適切な表現です。
あなたが現に感じているのだから、それは他者がどれだけ不適切だと指摘したとしても、あなたにとっては自然であるが故に適切なのです。
もしまだ吐き出し切れていない不安に対する気持ちがあるならば、今ここで思う存分、不安という感情に対する怒りを、痛みを、悲しみを、憤りを吐き出して下さい。
思う存分ですよ。
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