"不安"って何だっけ?[論考3]
不安とは本来とらえどころがなく、曖昧模糊としている上に、それが何かを漠然と理解しても直接コントロールすることのできない感情*1です。
しかし、いや、だからこそ、不安という存在について多面的に理解する必要があるのではないでしょうか?
時に猛威を奮い、制御不能に陥る危険性を備えている不安は私たちにとって脅威であり、否定的なものであり、時に、なくなってしまえば良いとさえ思う存在です。
その結果私たちは、
「不安など感じていないのだ!」
「私って不安を感じない人間なんだよね。」
など、本来感じている気持ちにフタをすることを覚え、不安を直視することの不安を感じているのではないでしょうか?
不安に対する気持ちが膨らめば敏感になり、不安に対する気持ちを無意識意識的に抑圧すれば鈍感になります。*2
"不安を感じるのではないかということに不安を感じる"というのは不安の大きな特徴の一つです。
これは俗に不安の悪循環*3と呼ばれます。
つまり、不安から逃げようとすればするほど不安が肥大し、メビウスの輪のように抜け出すことのできない無限ループにはまって、グルグルと不安の海を泳ぎ続けているような状態に陥るのです。
不安の悪循環から抜け出し、
不安そのものと向き合うことができるようになりませんか?
もちろん、
あなたは不安そのものと向き合いながら、またその不安に不安する悪循環に陥り、また抜け出すというどっちつかずを経験するかもしれません。
しかし、そのどっちつかずの状態に対して必要以上に不安になる必要はありません。
なぜなら、それが普通の人間的感情であり、あなたがバランスを取っている状態の表れだからです。
あくまであなたのペースで悪循環と縁を切っていけば良いのです。
中古価格 |
「いい人に見られたい」症候群―代償的自己を生きる (文春新書) 新品価格 |
新品価格 |