【論考まとめ】"不安"って何だっけ?
<はじめに>
あなたは不安という理解しがたい感情に対してどのような考えをお持ちでしょうか?
「私は不安を感じてしまうほど弱い人間だ。」
「不安さえなくなれば私の人生はもっと意義深いものになるのに。」
「不安など感じなければどれだけ私の人生は晴れやかだろうか。」
「不安によって言いたいことを言えず、やりたいことをやれず、なりたい状態になれない。」
もし少しでも当てはまる部分があるようでしたら、"不安"の論考に目を通されることをおすすめします。
~こんな人に知って欲しい!~
- 不安を感じている人
- 不安とは何か、興味や関心のある人
- 不安障害を持っている人
<目次>
はじめに↑
[論考1]不安の正体
[論考2]不安の二面性
[論考3]不安の悪循環から抜け出そう
[論考4]不安の最終目標
[論考5]不安を感じなかったら?
[論考6]痛みを感じない病気:無痛症の例
[論考7]「不安を感じない」ことの真偽
[論考8]不安の扱い方その1『認知行動療法』
[論考9]不安の扱い方その2『目的論』
論考まとめ↓
<論考まとめ>
不安には存在意義があり『安全を正常に確保するために備わった防衛機能であ
り、何が危険かを知らせてくれるセンサー』と言えます。不安には否定的側面しか存
在しないのではなく肯定的側面があり、不安を感じることができるからこそ自らを正
常に、かつ適切に守ることができるのです。
不安を感じることができない状態はあまりにも危険です。なぜなら、不安を感じる
ことができない状態とは痛みを感じることができない状態であり、痛みを感じること
ができない病気である無痛症の人たちは『自分の痛みに気づかないがゆえに赤ちゃ
んの時から唇や舌を噛んで血だらけになったり、包丁などの危ない道具に恐れを抱か
なかったり、2階から降りるときに「階段を歩くより飛び降りた方が早いんじゃない
か?」と思ったりする』というのです。そして、彼らは30歳までに亡くなってしま
うというではありませんか。
それでは不安に対してどのように目標を設定し、どのように取り組んでいけば良
いのでしょうか?
不安の最終目標は『不安を客観的に上から眺めるもう一人の自分を創り出すこと』
です。不安とうまく付き合うためには
- 不安の実態を知り
- 客観的かつ冷静に上から眺める自分を創り出す
ということが目標設定の肝になります。
これらを考える際、最も念頭にいれておくべきことは『不安は感情であり、認知科
学の観点から感情は直接コントロールすることができない』という事実です。つま
り、不安は直接的にではなく間接的にコントロールするべきであるということです。
不安をコントロールしようとして「不安を感じてはいけない」「不安を感じないよう
にしよう」と念仏や呪文のように唱えたことがあるかもしれませんが、本来その行為
は不安をさらに増大させるか、無意味と言わざるを得ません。
最後に、不安の扱い方について原因論と目的論という二つの立場をご紹介しております。
今回の論考が少しでもあなたの知識や生活の知恵に役立つとするならば、本望です。